株式会社ITJapan ブログ Windows2000

Windows2000

ITJapan Co.,Ltd. CEO Tadanobu Kinoshita

2004/02/05 11:03 - www.itj.jp

当時Windows2000と言えば、はっきり言って「異端」と言えるような存在だった。事実、誰の口からもそれが「良い」という意見は聞かれなかったし、その代わり否定的な意見はいくらでも耳にできた。「ドライバがない」「遅い」「ソフトウェアの互換性」「操作性」「将来性」・・・Windows95や98に慣れ親しんだユーザーは(WindowsNTユーザーでさえ)この新しいOSを否定した。
1999年の、20世紀も終わりに近づいていたあの時に、この新しいOSに未来を見ている人はまだ全然少なかった。

私が社会人になった1998年頃というのは、世の中にインターネットが一般的に普及し始めた頃だった。一部の「進んで」いる人達にとっては、もうとっくに「インターネット?何を今さら」という感じだったかもしれないが、それでも私が初めてインターネットにアクセスしたのは、おそらく大学を卒業して、会社に入ってからだった。まだ就職活動も企業にハガキを出しまくったり、卒論も全て手書きで提出を求められた最後の世代だと思う。

就職した会社に入って最初の半年間はWindows95を、次の半年間はWindows98を使っていた。エクセルが日に何度か「強制終了します」と赤い×印を出しても、はいコンピューターを再起動…という流れにもう慣れ初めていた。Windows2000を目にしたのはそんな時期だった。それまでの緑が基調だったデスクトップから脱却した青がベースのデスクトップ。好みは人それぞれだけれど、僕にはそれがとても健全な、クリーンなイメージに見えた。「カーネルとアプリケーションが分離しているから、ソフトが落ちてもOSは落ちない」…これは!という感じだった。

日頃、インターネットやEメールしか使わないような業務の社員だったら、Windows2000に対して何も思わないのも理解はできた。ただ僕は当時もうソフトウェア開発者として働いていたので、この「安定性」というのは何ものにも代え難いと思った。それにこのOSに変えたら、それこそ日頃そこかしこからやって来る、「木下君(私)、パソコン固まったんやけど~」とか「インターネットが出来ないんだけど~」「ちょっと来て~」とかが減るんじゃないか?と考えた。

ちょうどその会社も変革の時期という事で、全社的にパソコンを導入して、販売管理や営業支援のシステムを組もうとしていた時だった。私はWindows2000の他にMacとLinuxを視野に入れてトータルでどのOSにするかをずっと考えていた。
ほとんどの人がWindows95や98の操作に慣れていたため、当然OSはそれだと思っていた所に、私は入社1年目でありながら「Windows2000」を推挙した。反応は冷たいもの…というよりは、「なかった」。何それ?という感じだった。仲の良かった先輩社員や上司の反応も「木下君、それはやめとけや…」「君が言うんやから多分ええんやろうけど、でもまだちょっと早いんちゃうか…」あるいは「ようわからん…」というものだった。

その後のしばらくは、「鳴かぬなら、鳴かしてしまえホトトギス」戦法で、取りあえず水面下で準備を進めた。Windows95系のソフトウェアの互換性があまりない、というのは本当で、パッケージソフトやそれまで制作していたWindows98用の手組ソフトは正常に動かない部分が多かったので、原因を見つけてはつぶし…の繰り返しだった。全部で300名ほどの会社だったが、そういった社内のシステム開発をする人間は私しかいなかったし、またいきなりWindows2000とかいうみんながよく分からないものを持ち出したので、各ソフトウェアの水面下での移行作業は休日を全て潰しての一人での作業だった。

今ではみんなWindows2000を認めている。あの時の私の選択は多分間違ってはいなかったのだろう。最近そこの社員の人に「Windows2000って安定してていいよな~。木下君、そこんとこちゃんと分かってる!?」とか言われたほど。足かけ4年ほど使用したが(今は諸事情でXPに移行中)、何の不満もなかったと言って良い。それどころか、使う度にいつも新鮮で気持ちよい思いにかられた。
Windows2000が好きな人はみな分かるだろう。XPも嫌いではないが、2000に比べて細やかな安定性に劣るという感じはどうしても否めない。ただOSの安定性というのは、そのバグ潰しにどれぐらいの人員を割いたかに比例するはずなので、今後開発の主力がXPにどんどん移行するに従って、少しずつXPが2000よりも安定していく事になるだろう。
最後に私の個人的な予想を一つ。おそらく次にWindows2000のような評価の高い安定したOSが出るのは、次世代Windowsである「Longhorn」のそのまた次のOSではないだろうかと思っている(OSではないかもしれないが)。
その理由はまた別の機会に。