GoogleAPIと日本の差

ITJapan Co.,Ltd. CEO Tadanobu Kinoshita

2006/04/17 08:10 - www.itj.jp

2000年頃までGoogleという会社の名前は、ほとんど全くの無名だった。だが、この会社はその後わずか数年で「検索」技術をたった一つの武器に世界のトップを走るIT企業となる。

インターネットで一番行われている作業は「検索」である。これは今後も変わらないだろう。情報を探す事が第一の目的であるから必然的にそうなる。そしてそこに特化した企業が名を馳せるのはある意味で当然だ。

そしてこの技術はアメリカで生まれた。これは最近よく言われる事だが、日本はなぜソフトウェアの分野で全くといって良いほど活躍できないのだろうか。今回その事についても少し触れてみたいと思う。

例えば今個人的にセンスが問われる分かれ道が来ているなと思う事がある。それは、「日本独自の検索技術を開発する」か「GoogleAPI等の検索APIを利用して(Googleの検索結果を利用して)そこからのサービスを考えるか」どちらを取るかと言われた時にどう答えるかである。

理想は日本独自の検索技術の開発であり、本当に勝つためにはこれ以外ないように思える。ただ、現時点の時代背景を考えると、これは大変危険な考え方であるのに気が付く。

根本的な問題点は、パソコンやインターネットの世界の基礎的な技術が、全て「英語」によって記述されている点だ。
何だかんだでやはり日本人は英語が苦手である。日常会話が何とか出来る、少し文章を書いたり出来るといったレベルはゴマンといよう。だがネイティブレベルで操れる人材は、今でもそうはお目にかかれない。(個人的にこれは別観点で見れば別にそれで良い事だと思っている。自国の文化がそれ相応に強い国(フランスや中国等)が他国言語の侵入を阻んでいるのは自然な事だと思う)
そして現在のパソコンやITの世界を支配するOSは英語で出来ている。
日頃の開発案件で困る事はほとんどないが、いざGoogleレベルの根本的な変革ソフトウェアを作ろうとすると、大量の英語文献の前に呆然とするしかなくなる。

技術者の目で見ると、例えば「Google」「MSN」といったアメリカ系開発では実装出来ている機能があるのに「Yahoo!JAPAN」「Infoseek」といった国産系開発では未だに実装出来ていない機能がある事が分かる。そしてそのような機能を実装しようと調べていくと、どうしようもないほどの英語の波に投げ込まれてしまうのが分かる。それらの大御所でさえいまだ実装出来ていないのだ。いかに日本に、ネイティブレベルの英語と高レベルでのソフトウェア開発を両立させている人材が少ないかが分かる。

なので私の考えでは、現時点で最も有効な世界と戦う術は、とりあえずGoogleAPIを使ってそこから先のサービスで存在感を示す事だと思う。

そして、そのサービスを作る過程の中でしかGoogle検索の弱点は見えないだろうと思っている。

エンドユーザー…実際の利用者が便利だと思うサービスをまず開発し、その中の検索アルゴリズムを高めるためにイチから検索技術を開発する…これが正当な流れではないかと思う。

「実際の利用者の観点」。これも、日本ではすぐに欠けてしまう考え方だ。これからはWeb2.0がどうとかRESTがどうとかよりもまず「商売として何をしなければならないか」だ。そこから始めていけば日本人のコツコツさはいずれITの世界でもNo1になる事が出来ると信じている。