(Mac+Google+Firefox)-Netscape≒0?

ITJapan Co.,Ltd. CEO Tadanobu Kinoshita

2006/05/05 15:53 - www.itj.jp

私が社会人となった1998年当時、インターネットのブラウザといえば「Netscape」だった。もしかしたら最近の人はもう知らないかもしれない。Netscapeのバージョン4.75まで使って、その後は…その後は、よく分からない。知らない間にマイクロソフトのInternetExplorerに乗り変わっていた。

当時はマイクロソフトのIEはまだやっとバージョン4といった所で、完成度で言うととてもNetscapeと比べられたものではなかった。…だが、具体的にどこがどう、というのは今でもよく分からない。まず私はデフォルトの文字の大きさが気に入らなかった。Netscapeの小さめのフォントの方が引き締まって見えたので、IEは私の美的センスの面から見て使いたいと思わなかった。 また、レンダリング等ウェブサーフィンの能力もおそらくNetscapeの方が上だったと思う。動作がきびきびしていて軽快だった。

今思い出したのだが、私の使用ブラウザがIEに乗せ変わったのは、Windows2000の発売と同じ時期だった 気がする。当時前職の会社でも大量にパソコンが導入され、それまでは1台1台にNetscapeをインストールしていたが、とてもそんな作業はやってられなくなり、 デフォルトのIEを使うようになった。

もしかしたらWindows2000自体の出来の良さに錯覚したのかもしれないが、同時に「ブラウザも、これで良いんじゃないか」と思うようになった。もちろんIE自体の品質 も上がっていた事もあるだろう。バージョン5、5.5となる頃にはかなりまともなバージョンになっていた。

そしてわずか1~2年の間に、「Netscapeのみ対応」となっていた金融系ソフトを見 かけると、「遅れてるなぁ、さっさとIE対応にすれば良いのに」と思うようになっていった。

そしてIE6.0をかれこれ6年使い続け、今や立派なIEユーザーとなってしまっている。

ここまで振り返って何が言いたいかと言うと、現状でのGoogleの事だ。

状況が似すぎている。…現時点では、検索といえばほぼGoogleだろう(あとはYahoo!か)。マイクロソフトのMSNを使用しているのは、実は結構なキーポイントとなっているのかもしれないが、会社のある一定の年齢以上の上役の方々ぐらいだ(この方々は単に最初からMSNがデフォルトのホームページになっていて、そこに検索できるボックスがあるので使用している)。

私は正直今のMSNの検索やツールバーは使う気にはなれない。Googleの方が良い。だがこれは、Netscapeを使っていた頃の感想と全く同じだ。「どこがどう」という確固たる理由はないのだ。もしMSN検索が今のGoogleと同等 か、下だがあまり変わらないというぐらいの使い勝手になれば……?

そして一つのブレイクスルーに当たる、「WindowsVista」が来年発売される。そこにはもちろんデフォルトでIEの次のバージョン(7.0) 、そしてそれに付随する検索サービス(MSNの新バージョンまたは改良バージョン)がバンドルされているだろう。

その時に、新しいOSに触れる大半の人はドキドキしながらその新しい可能性を体験するだろう。半透明のウインドウ、サイドバー、大きく表示されるファイルプレビュー…全てが楽しい 初体験だ。

そしてIE7.0にも大半の人はもちろん触れてみるだろう。
そして 「ちょっと検索してみるか」と、備え付けのMSN検索で検索した時に、改良されたMSNの結果が自分の満足いくものだったとしたら…。 いや、そこまでではなくても人は結構見かけに騙されやすいものだ。検索結果の表示が、内容はともかくとして近未来的なわりとセンスの良いデザインだったら…。

Googleの崩壊はわりと早めに訪れる事になるだろう。もって1~2年。

Googleはそれまでに必ず成し遂げないといけない事がある。もう広告は伸びない。一番良いのはMacとガッチリ組んでしまう事だ。結局の所OSを手に入れないとIT業界の覇者にはなれない。それは歴史が証明している。だからBootCampといった荒技を使ってまでもVistaまでにユーザーを取り込もうとしているMacと全力でタッグを組む事が、同社が生き残るたった一つの道だ。時間は多分、もうあまりない。

MacとGoogleという強力タッグでマイクロソフトに挑むという図式になると、かなり面白い勢力図になる。そして、Mac+Googleに、蘇ったNetscapeとでも言うべき「FireFox」を加えるのだ。Safariはもうやめるのだ。そして、そこから先はある程度プライドを捨てないと駄目になってくるが、FireFoxをW3Cではなく現実的なIEとの完全互換にし、加えてMacに「Windows操作モード」を加えて、Windowsしか使った事の無い人も違和感なく操作できるようにするのだ。私が見る限り、人々がMacに乗り変わらない理由は、 「Windowsのような操作が出来ない」という部分が大半を占めていると思う。

携帯電話の検索分野にも進出すべきだと思う。だが、携帯の普及度合いは各国でかなり違うようなので、Googleのような世界的企業が手がけるのはなかなか難しいかもしれない。

ともあれ最終的に、シェア的にはWindows70%、Mac30%、ブラウザではIE60%、FireFox40%ぐらいになってくると、かなり面白い事になってくる気がする。まずは値下げ競争が始まるだろうし…。

以上、思ったよりもVistaの登場というのは、現時点での新聞やWebの記事とは違って、後 世から見るとかなりのブレイクスルーになっているような気がする。