IT業界における英語

ITJapan Co.,Ltd. CEO Tadanobu Kinoshita

2006/06/23 11:07 - www.itj.jp

先般、小学校からの英語教育の導入というニュースが報道された。アジアでその時期に英語を教えていないのは日本とインドネシアぐらいらしい。この問題について、私はいくつか意見を持っている。

まず、「教育」という大きな視点で見た場合、日本の最高学科は「数学」であるべきだという事。なので、現状の他の国の言葉が(例えそれが世界共通語であれ)数学や物理、国語よりも上という風に見られているのは個人としては我慢がならない。

冷静に考えて、その国の学科の最高峰が英語(外国語)だとしたら、その国は植民地ではないのか?とすら思う。いきなり英語の話題とずれているようで申し訳ないが、これがまず大きく一点。

次に小さな視点で見た場合。英語のみに当てはまるわけではないが、中学以降の英語教育のやり方に大きく疑問を持っている。

得意な人なら良いが、そうでない人には難しすぎるように思うのだ。私は中学の頃、カナダにホームステイしたのだが、現地の人に英語の夏休みの宿題…文法問題を試しに答えてもらったのだが、半分以降答えられない/間違えていた。その時に、英語圏の人に答えられない問題をしている自分は一体何なのだろう?という気持ちになったものだ。

思うに、「英語の授業」というのは、一般的な日本人の意識を持っている人には向かない。それこそ東大合格を目指すドラマ「ドラゴン桜」にもあったような、ダンスしながら英語を学ぶ(あったかな?)、ぐらいの気楽さが必要だと思う。

要は、英語の楽しい、簡単な部分だけが中学と高校で学習できればそれで十分と思うのだ。それこそ中学や高校では英語が「楽勝科目」「毎回100点当たり前」になるぐらいで良いのだ。6年で基礎をいやというほど反復させる。基本的な挨拶や簡単な世間話・日常会話が話せて、書ける。これで十分ではないだろうか?「そんな簡単な勉強なんてありえない」という人は、このレベルでも日本の全中学・高校生に達成させるのが簡単ではない事を想像出来ない人だと思う。

良いではないか。日本の中学・高校を出た人間が、難しい事は出来ないけども、英語の挨拶や日常会話はほぼ完璧にこなせるなら。恩の字ではないか?戦後これだけ長い間英語教育が続いても、未だにほとんどの人が挨拶すら躊躇するような成果しかあがっていないのだから、これはもはや教育の仕方が間違えている事に他ならないと思う。

そして、より高度な勉強がしたい人は、大学ですれば良い。4年間で、みっちりと鍛えあげるのだ。若い頃の4年は何ものにも代え難い。

ここで話をITに移す。

この前この連載で日本は英語教育がなっていないから世界のソフトウェア界からおいてきぼりをくらっているというような事を書いた。それは本当の事で、このまま日本の英語教育に何らかの改善が見られない場合、今以上に大きく衰退する事態に発展しかねない。

ソフトウェア業界はまだまだ男の世界だし、なぜか日本では女の人が文系で英語が得意、という人がわりと多いように思うが、男はだいたいの人が英語が嫌い/もしくは苦手になって学生生活を終えている。そうすると、世界の叡知である英語で書かれたライブラリやヘルプに対してどうしても気後れしてしまう。

だから学校では最低限、簡単な英語教育を実践し、英語に対してネガティブなイメージをつけないでくれたらそれで良いのだ。

そして最初にも言ったが、一番力を入れないといけないのは数学だ。日本の未来は数学が7割、英語が2割、あとの1割は色々。数と文字を自在に操る人材の早期育成をこの国に強く求む。