日本は輸入・加工

ITJapan Co.,Ltd. CEO Tadanobu Kinoshita

2006/09/05 10:23 - www.itj.jp

本稿はこれまでその時代時代で誰かが言って来た事で別に目新しい事を言っているわけではない。

PC-6001の時代からパソコンを見てきている者にとって、ここに来て一つ結論に達している事がある。

それは、やはり日本人というのは「加工」が得意なのだという事だ。

今現在、日本で使われているWebサービスを見ても、ミクシィ、はてな、オークション…これらは全て元はアメリカだ。それらを輸入してきているだけに過ぎない。(ついでに言えばOSだってブラウザだって全部海外製だ)

だが、日本人には日本人独特の美意識があり、たいていは海外で作られたものは「見た目」において日本では通用しない。だから、海外からサービスを輸入してきて、日本人向けに「加工」してやる…それで一つ、この国で定着するサービスが出来上がる。

新しいものが生み出せないとか、加工が得意というのは、いわゆる良い・悪いというレベルの問題ではない。加工が得意なら、それを誇れば良いだけの話だ。

はてなの近藤社長がアメリカへ行った。本当に「はてな」サービスを流行らせに行ったのか?私は違うと思う。アメリカでもあの手のいわゆる「知識検索」サービスは、もう曲がり角を迎えているのだ。

ほぼ全てのWeb2.0の第一陣のサービスが曲がり角を迎えているこの時期、アメリカに何をしに行くかというと、それは「輸入」…先進的なサービスの輸入、それしかないように思う。

そういう意味ではもう手法は確立されているのだ。そして今後はアメリカに限らずヨーロッパやその他の地域で流行したサービスを輸入して日本人向けに加工する、戦いの場はワールドワイドになっていくだろう。

「すでに大企業の人間は世界各地に居るのでは?」という疑問を持たれる方もいるかもしれない。だが、これは「商売の才」というと大袈裟だが、例えばアメリカで流行っているサービスがあったとして、それを現地で「便利だな~楽しいし」と使っているだけでは駄目なのだ。「これを日本に輸入すれば売れるのでは?」と考えられる頭脳が必要だ。そういった意味で、海外に拠点を設けられるような大企業の方々は、そこまで、何というか泥臭くお金を稼ごうという類の人間はあまりいないだろう。

この話を聞くと、「完全日本オリジナルの全く新しい物」を開発する気概、ベンチャー魂が無い!と思われるかもしれない。

だが、本当に完全オリジナルなものなど、この世にほとんどありはしないのだ。アメリカ人が全く新しい物を生み出すのが得意なのかと言われると、私はそうでもないと思っている。彼らだって、その中のどこかの「天才」が考えた「芽」を、瞬く間に「加工」して仕上げているだけのように見える。

完全オリジナルを生み出すような天才は、人種や地域にかかわらず、神様の気まぐれでどこかに誕生するのだろう。そしてその近くに商売の才のある人間がいれば、それを瞬く間に加工して、人々に届く、価値のあるものに変えていくだろう。

それは別に目新しいものでもなく、過去さまざまな分野で起こってきた事だ。そういう意味ではIT業界も、やっとそういう意味の話が出来るぐらいには成熟してきたという事なのかもしれない。