LAMPと.NET

ITJapan Co.,Ltd. CEO Tadanobu Kinoshita

2006/10/10 11:15 - www.itj.jp

「LAMP」とは、Linux&Apach&MySQL&PHPの略で、簡単に言えば無償でデータベースシステムを制作する事が出来るフレームワークのようなものだ。

数年前にこの言葉が生まれ、今では完全に定着していてもうあまり話題にすらのぼってこない。

私は趣味でこれらを使うが、仕事ではあまり使う事はない。単価が安いというのもその理由だが、上記LAMPにはよくよく考えると商売上の欠点が見えてくる。

■その1 大元のサポートは誰なのか?

無償のシステムの一番大きな欠点はここだろう。とりわけPHPのバグの多さは異常である。PHPのユーザーズサイトを見れば、「これまでのバージョンには致命的な欠陥があります」のオンパレードだ。常に最新版を使用しないといけない。だが、 ほとんどの大手プロバイダ内等で使用できるPHPモジュールは、 いまだにバグの大量に含まれた以前のバージョンのままだ。

何も人命 にかかわる訳ではないので別に良いと言えば良いのかもしれないが、無償だというだけで多量のバグを含むバージョンを日本の大半のユーザーに使用させている現状は、企業倫理として考えた場合はやはり問題があるだろう。何よりも大きな「事件」が起こった場合、また全ての被害はユーザーにかぶせられ、会社は逃げてしまうという図が簡単に描ける。
対して.NETはサポートはマイクロソフトであり、何かあれば電話をかければそれで終わりだ。

■その2 開発生産性

LAMPの生産性は決して高くない。環境を揃える時点から大変だという事実が、生産性の低さに拍車をかける。 またそれぞれの製品のバージョンの違いによる組み方も都度考えなければならない。LAMP使いの人は 何故か決して.NETを使おうとしないが、両方使える私から言わせると、開発生産性では全く勝負になっていないというのが本音である。

これは.NETとJAVAを比較してもそうだと思う。例えば全くプログラミングの事を何も知らない人に.NETとJAVAで 開発環境のインストールから何かしら簡単なプログラムを作らせてみて、「JAVAの方が使い易い」という人は、私の価値基準から言うとヘンタイの領域だと思う。

■その3 価格

これはLAMPが唯一.NETに対して誇れる部分だとは思う。また、ベンチャー系ではLAMP系の技術者の方が明らかに多いので(.NETやJAVA系はもっと他の大手系の業種が囲いこんでいる)、人材的なコスト面から考えてもLAMPの採用は最もな所なのだろう。だがやはりベンチャーではそもそも.NETやJAVA系の事を全く知らずに語っている人が大半を占めるので、今や.NETがかなりの部分で無償である事などはほとんど知られていない(それはJAVAやOracelの組合せでも同等の事が言えるが)。

本当に.NETはそんなに高いだろうか?WindowsServerを入れておけばWindowsUpdateで勝手にセキュリティ更新もしれくれるのでLAMP系のようにいちいちカーネルの再構築(そこまでやっているベンチャーが本当にあるのかは謎)をしなくても良いので、サポート的には格段に楽だと思うのだが…。私はトータルの費用では.NET系の方が格安だと思っている。

…以上、簡単に述べて来た。私が言いたいのは、全体を見渡さずに安易にLAMPに流れているベンチャー企業が多すぎるという事だ。日本はすぐにアンチマイクロソフトの流れになるとすぐそれ一色に染まってしまうが、本場アメリカではそのような流れは一切ない。公開サーバーから何からマイクロソフト製というのはベンチャー企業でも全く珍しくない。
ベンチャーは本来もっと頭を使って情報を集めて賢く立ち回らなければならないのではないだろうか?

色々考えると.NETというのは、現時点では私には最良の選択肢に見える。ほぼ無償で、この開発生産性の高さというのはやはり凄いと思う。
私は別にマイクロソフトの回し者ではない。全てを試してみて、客観的に判断して、そうだという結論を出した。

この国のベンチャーが、安易に一色に流れず、各々が実際に試してみてから判断するという風土が根付くようになる 事を祈っている。