株式会社ITJapan ブログ LinuxとMac

LinuxとMac

ITJapan Co.,Ltd. CEO Tadanobu Kinoshita

2004/02/09 17:58 - www.itj.jp

Linuxと言えば、昔のイメージは「軽くて安定している」だった。それはそうだろう。X-WindowをONにしなければ、真っ黒な背景に文字だけのテキスト画面だ。コンピューターが好きな人間なら、あの「コンピューターにじかに触れている」という感覚が嫌いなわけはなく、コマンドで必死に操作しながら…動いたり、動かなかったりしながら…深みにはまっていく。

私はWindowsとLinuxの違いは、「もの」として見た場合、オートマ車とマニュアル車の違いだと思っている。そしておそらく一般の人にとっては時速200km以上出るようなレース仕様のマニュアル車などいらないのだろう。一般道を普通に走れるオートマ車で十分なはずだ。普通にドライブが出来て、そこそこ操作しやすくて…それ以外に何かいるの?といったところだろう。現実にはどんなにマニュアル車の良いところをこんこんと一般の人に説明しても、買うのはもうオートマ車以外ありえないのだ。そこのところはLinuxを販売しているディストリビューターにも良くわかっているから、だから彼らは見た目だけでもWindowsに…オートマ車に近づけようとする。そしてその戦略が当たっているのかどうかはまだ結果は出ていない。どんなに外観をWindowsのように装っても、中身はマニュアル車…Linuxなのだ。すぐに違いはわかるし、あのマニアックな空気はWindowsとは異質のものなので、普通の人は二度とさわらなくなるだろう。

鍵を握るのはMacだ。MacOS9までは独自仕様のOSだったが、バージョン10からはUNIXベースのカーネルを搭載した、Linuxディストリビューションと呼べるものになっている。あまりにもキレイにはまり過ぎて、誰からもあまりツっこむ声が聞こえてこないが、これは革新的な事だ(私が知らないだけで、みんなはそう思っているのか?)。つまり、見た目も操作感覚もオートマ車だが、何か1つの「ロック」を外せば、途端にレース仕様のマニュアル車になる…これは、OSとして理想の形だと思う。Macの取った戦略は最上のもので、間違ってはいない。日本ではビジネスの世界ではMacは不当に低い位置にあるが、シェア5%に満たないOSとは思えないほどポテンシャルは相当高い。ただ…こういう形になるのが少し遅かったのかもしれない…。

大手メーカーとのつきあいのある中小企業に以前私が勤めていた中で、Macが話題になることはほぼ皆無だった。私が入社した頃は「Apple課」というMac専門の部署があったが、何年か後になくなった。インターネットもできるし、メールもできる。何が悪いのか。答えはそう、商社ビジネスの現場で役に立たなかったから(利益が出せなかったから)だ。開発環境があまりにも貧弱すぎるし、商用ソフトも少ない。個人の趣味としては使えるが、仕事には使えない。これはマイクロソフトという会社とAppleという会社の企業風土の違いなのでどちらが正しいというものではないのだが、結果は、ビジネス用途を優先したマイクロソフトに軍配が上がったという所だろう。

それでも今、MacやLinuxはシェアは低いが決して悪くない位置にいる。Web(インターネット)が全盛になってきたおかげで、以前よりローカル環境に固執する理由がなくなってきたからだ。ここいらで一つ、Macにも「VisualStudio.NET」のような一般的で分かり易い統合開発環境や「SQLServer」に与する事が出来るようなデータベースが欲しい。「.NET Framework」は、マイクロソフトがOSの時代ではなくなってしまった時のために繰り出した最終戦略だ。もうマイクロソフトがWindows95の時のような熱狂を世の中に生む事はほぼ無理だと思われる(Longhornは微妙だ)。来年か再来年あたりからの「次世代OS」は、OS最終戦争に突入するだろう。WindowsかLinuxかMacか。それとも新たな勢力か。
個人的には新しい「何か」が見たい気がする。