プログラマーは最高の職業

ITJapan Co.,Ltd. CEO Tadanobu Kinoshita

2005/10/18 16:24 - www.itj.jp

IT業界にいる中で、自分の中で一つだけどうしても変える事のできない価値基準がある。それは、「IT業界に席を置き、高みに到達するには最低限何かプログラミングが出来ないとダメ」という自分なりの基準だ。ここでいうプログラムとは別に何でもOKだ。N88-BASICでも良い。COBOLでも、PASCALでも、VBでも。C++が出来れば万々歳だ。
大成功している企業のトップで、プログラミングが出来ない人間など存在しない。その最たる例がマイクロソフトのビル・ゲイツだ。世界一のお金持ちはプログラマーである(最近日本で流行りのM&Aは彼に言わせると仲良くないと結局失敗するので無意味だそうだ…経営者なのに一般人の感覚だ)。私は家族や友人を信じるのと同じくらい、プログラマーこそがNo1の存在になれると信じて疑わない。

ソフト開発についてもう少し詳しく述べよう。昨今で言えば、私は製品の出始めからずっとC#を使っている。これはハッキリ言って凄まじいパワーの言語だ。難しい説明を一切省くと、今、日本に数ある業務アプリケーション系プロジェクトの99%はこれだけで事足りるだろう。そして、もっと怖ろしい事に、熟練したプログラマであれば1人で、しかもわずかな期間でそのプロジェクトを完結させてしまうだろう。JAVAも好きな言語だが、総合力ではC#に到底叶わない。

現在のWindows/Web開発を取り巻く状況は、2~3年前に全盛期だった人には、おそらくワケが分からない状況となっている(多分何度言っても信じてもらえないだろう)。とりわけ大企業に勤めているエンジニアは組織の動きが時代についていっていないので大変だ。多大な人月を費やす大きなプロジェクトは、今はVisualStudioを使う事で、熟練者1人で1ヶ月で開発出来てしまう時代となっているのだ。この事実は多分現在のIT業界、大企業にはにわかに受け入れ難いだろう。だがはっきりと言えるが、生産性と利益面の両面から見れば(もちろん技術的に組めないものは除く)組み込み/制御系を除けばC#以外を使う意味などもはや皆無に等しい。例えば主婦は、いったん全自動洗濯機を使った後はもう手洗いなどに絶対に戻らない(戻れない)ように、進化する開発環境の中で、今や古典的な言語が登場する余地はほとんど無いのだ。どれぐらいのものが熟練者一人で開発できるかと言うと、日本中の銀行のオンラインシステムを一人で作れるほどの威力がC#という言語(MICROSOFT .NET FRAMEWORK)にはある。

開発に必要な費用もどんどん安くなっている。ここで言いたいのは「フリー」とはまた意味合いが違うという事だ。今の世の中で、Linuxを使い、PHPを使い、DBにはMySQLを使う、言うなれば「何となく存在する『反マイクロソフト』連合に盲目的に従う人々」に問いたい。フリー(オープン)のソフトを使って、セキュリティに何かあった時、お客様にどういった言い訳をするつもりだろう?ソフトにバグがあった場合、それはいつ修正されるのだろう?断言するが、これらフリーソフトを使う人々は、都合の悪い事には耳を貸さない人間だ。もしくは大企業。個人や力の弱いものがクレームをつけてもどうにもならない所なので。何かあっても知らぬ存ぜぬでくぐり抜けるだろう。もしこれを読んでいるあなたがこれからどこかに発注しようとしているならば、フリーだけを勧めてくるベンダーには注意した方が良い。

この業界では、永い間「フリーソフト」への意味不明の信仰が存在してきたのだ。だがもうその感覚ははっきり言って古い。そう言いたくなるほど、お客様の事を何も考えていないLinuxへの依存の高さが存在する。Windowsなら何とか操作出来るが、Linuxで作ったが最後、誰も分からない人間だらけで最後は迷う事になる。 また、顧客の中でも、「分かっていない」人間は大抵Linux信者だ。フリーソフトはお金のない学生が、無限の可能性をぶつけるために存在するものだ。大の大人が生活の道具としてはならない。笑い話だが、「秀丸はフリーソフトじゃないか」とたまに言われる。秀丸は有償です。お金はきちんと払いましょう。

話を戻す。ゆえに、昨今テレビでIT起業家が色々と話題となっているが、トップを含めプログラムの経験のある上の人間、下の人間が数多く存在する企業だけが生き残るとだけ結論をつけておこう。確かな技術力で局面を打開する力のない企業が、そもそもIT企業を名乗る事自体がおかしいのだ。アメリカのIT企業であるMicrosoftやGoogleは、その卓越した技術力で会社を大きくしていっている、まっとうな会社だ。日本ではライブドア、楽天と比べるとYahoo!が技術的にはまだマシな方だと思う(サポートは最悪に近い…が、これについてはまた今度)。プログラムを知らない営業は絶滅するだろうし、するべきだ。真に大きな話をまとめるのはやはり知識のある人間だ。そして他の分野の一流の人間と混ざる事により、革新的なサービスが生まれるのだ。

最近学生からの問い合わせや質問が何故か増えている。今学生の皆様がこれを読んでいるとしたら、どうかこれだけは信じてほしい。世の中の人は、プログラマーというのはただの労働力、生産者という見方をする人が多いが、それは単に技術を身に付ける努力をしてこなかった怠け者のひがみ根性なだけで、実際はきちんと勉強してプログラムを身に付けた人間が、これからの世界では一番、圧倒的に強いのだと。

色々な会社が食べていくために様々な論理を振りかざしてIT業界を跋扈しているが、プログラマーが最強なのだという意識だけは忘れないで欲しい。プログラマーにしかこの業界の真の姿は決して見えないのだから。