MS・ソニー・任天堂

ITJapan Co.,Ltd. CEO Tadanobu Kinoshita

2006/06/12 09:13 - www.itj.jp

なんだかんだ言って「パソコン」の環境はここ数年劇的な変化がなかった。それは業界を牽引しているマイクロソフトから新しいOSが出なかったせいでもある。今となっては驚くが、1995年~2001年頃は、およそ2年に一度新しいOSが出ていたのだ。乗せ替え、大変だったなぁ…。

そんな中、年末から来年にかけて、いわゆるコンピュータ業界では色々と変革が起こる。そのうちの一番大きな出来事は、言うまでもなく新しいOS、「WindowsVista(以下Vista)」の登場だろう。現在、Beta2版を日々使っている最中で、この「Vista」に対する評価はまた後日にしようと思う。

今回はこんなネタふりでなぜ「東京進出日記」の方に書いているかというと、それはちょっと趣味に走りたいからだ。年末から来年にかけての大きな変革、それはコンピュータ・ゲーム業界にも当てはまる。次世代の覇権を握るのはどこなのか、今から楽しみで仕方がない。

最初にマイクロソフトの「XBOX360」から。私は正直な所、このゲーム機に対する読みを誤ったように思う。というのは、もう少し売れると思っていたからだ。だが日本での販売が50万台にも達しない(※ちなみにゲーム業界でトップを取るには1000万台は必須)このゲーム機、なぜかアメリカでは品切れになるほどの売れ行きを見せている。このあたり、いったん「ダメ」という意見が出来上がると列島がひとつの意見で一斉に制圧されてしまう日本というお国柄と、自分の考えで「良さそう」と思うものを購入するアメリカの国民性の違いが如実に表れているように思う。

今後の計画としては、マイクロソフトとしては既定路線かもしれないが、「Vista」が「XBOX360」と互換性(実行環境という意味で)がある以上、全世界で最も普及する可能性が高い「Vista」との連携を精一杯アピールするしかないだろう。そうすれば、ハードの普及台数というか、XBOX360用のゲームの「実行環境」は一気に世界で数億台というレベルに膨れあがる。開発者にとっても魅力的なマーケットだろう。今後、パソコン用の液晶はますます大画面・低価格化が進むので、うまくはまれば、うまくいくかもしれない。

さて、次に日本におけるいわゆる二強、ソニーと任天堂の戦いである。どちらも「目指す所が違うので購買層は喰いあわない」「棲み分けが出来る」等を強調しているが、どうという事はない。狭い日本、どちらが勝った・負けたというのは誰もがはっきりと分かるレベルで結果が出るだろう。

『フェイク~本当のIT技術の話~』の連載の方で2005年10月に、私は「HD DVD」と「ブルーレイ」の比較において、ソニーの敗北を書いた。

そして先日、ソニーの最新機種である「PS3」の価格が発表され、私の予言は現実のものとなりつつある。消費者を敵にまわした以上、ソニーにはもう勝ち目はないだろう(その時も書かせてもらったが、私はソニーに何の悪い感情も抱いていない。ただ純粋に勝負の結果を見守りたいだけだ)。

ソニーはプレイステーションにおいて、ゲームにおける「CD」の普及に貢献した。それは大容量のゲームの出現を意味し、そしてそれは未体験のユーザーにとっては確かに楽しいものだった。続くプレステ2では、DVDの再生機能をつけ、ゲームだけではない家庭における新しい使い方の提案をした。

今回は「ブルーレイ」という新しい規格をユーザーに押しつけようとしているだけだ。ユーザーには何のメリットもない。そのために6万円以上の金額を出す人が、果たして1000万人いるだろうか。

振り返って任天堂だ。ここの強みは、ハードウェア開発会社でありながら、唯一のソフトウェアメーカーでもある事だ。ドラゴンクエストやファイナルファンタジーを超える大作を、現在に至るまでコンスタントに出しつづけている。「どうぶつの森」は、もはやほとんどのDQ・FFのシリーズの単体での売上を超えてしまった。そんな老舗の意地の爆発が、次の「Wii」には見える。新社長としてDSを大ヒットさせた岩田社長もノリに乗っているだろう。

今回、一番ソニーに対して「残念だな」と思ったのが、またもや任天堂の仕様をパクった(真似た)事だ。コントローラーのモーションセンサー(傾き等の感知)機能を急いでつけたものだから、任天堂は並行して「振動機能」をつけているが、ソニーは時間のなさから振動機能はカットせざるを得なかった。モーションセンサーと振動を両立させる事が出来なかった事からも、任天堂の仕様を急いで盗用したためと言われても仕方ないだろう。

全てのものを作る人々に言いたい。ソニーの今回のこの真似だけは、厳しい姿勢を取らなければならない。確かにソニーも必死なのは分かる。DSのタッチペンを、PSPは後から絶対につける事が出来ないのだから。もうDS対PSPは勝負がついている。PSPの唯一これはと思わせたテレビ閲覧も、携帯のワンセグ登場で一気に色あせてしまった。だから今度モーションセンサーに乗り遅れたら、本当に致命傷になってしまうのだ。……だが物まねの悲しさから、ものを作る観点から見ると、Wiiのコントローラーの本当の楽しさは、多分「コントローラーから音が出る」という部分なのだという事にも、多分もう気付いていない。

力ワザで映像の能力を上げただけのマシンがPS3だ。だが見る人はもうその映像がWiiやXBOX360に比べてどれほど凄いのかもう分からないだろう。どれも一緒だ。それ以外のギミックを全身全霊で充実させてきた、「真の物作り企業」である任天堂による超絶な逆襲の一手が、年末に炸裂する。

http://news19.2ch.net/test/read.cgi/gamenews/1147864503/109